年間休日87日は、一般的な会社員の平均である年間休日116日と比べると約25%も少なく、1ヶ月分近くの休みが減ってしまいます。月の休日がわずか7日ほどしかないということは、かなりハードな働き方だと言えるでしょう。
厚生労働省の調査によると、労働者一人当たりの平均年間休日総数は116日。これと比較すると、年間休日87日は平均よりも29日も少なく、1ヶ月分の休みが丸々なくなる計算です。
同じ調査で、企業規模が小さいほど休日が少なくなる傾向があることがわかっています。さらに、年間休日が89日以下の会社は全体のわずか9.4%しかありません。つまり、年間休日87日というのは小規模な会社に多く、社会全体で見てもかなり少ない部類に入ります。
年間休日87日の内訳
年間休日87日の内訳としては、日曜日が52日、土曜日が隔週で26日、そして正月などのその他の休暇が9日となり、合計87日になるのが一般的です。ただし、祝日が全て休めるわけではありません。
「日曜+隔週土曜+各種休暇9日」が最多パターン
年間の所定労働日数が278日に設定されていることが多いため、祝日を全て休むと年間休日87日を超えてしまいます。そのため、「日曜日+隔週土曜+各種休暇9日」という組み合わせが最も多くなっています。
シフト制の場合は1日7時間15分勤務
年間休日87日の職場がシフト制の場合、1ヶ月の休日は7日で、1日の労働時間は約7時間15分になります。具体的には、31日の月なら休日7日と労働日24日となり、法定労働時間の範囲内に収めるために、1日の労働時間が7時間から8時間程度のシフトが組まれます。
年間休日87日は違法ではない?
年間休日87日というと、「違法ではないの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。結論から言うと、労働基準法上は適法です。ただし、その他の労働条件次第では違法となるケースもあります。
週1日または4週4日以上の休日があれば適法
労働基準法では、毎週少なくとも1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えることが定められています。年間休日87日の場合、週1日以上の休日があるため、これに抵触することはありません。
残業代の不払いは違法の可能性
ただし、年間休日87日の職場で残業代が適切に支払われていない場合は違法となります。年間休日が少ない分、長時間労働になりがちなため、この点には注意が必要です。
法律ギリギリの環境で働かせるブラック企業も
年間休日87日は適法ではあるものの、労働者にとってはかなりきつい条件だと言えます。法律ギリギリのラインで従業員を働かせるような企業は、ブラック企業と呼ばれることもあるでしょう。
年間休日87日の職場環境
年間休日87日の職場は、休暇制度や人員体制が不十分であることが多く、有給休暇の取得もしづらい環境であるケースが少なくありません。
人員体制と休暇制度の不備
年間休日が少ない職場では、従業員が休むと人手不足に陥りやすく、余裕のある人員配置や休暇制度の整備がされていないことが多いです。
有給休暇が取得しづらい雰囲気
年間休日が少ない分、有給休暇を取得することへの心理的ハードルが高くなり、同僚に迷惑をかけてしまうのではないかと感じて、申請をためらってしまう従業員も少なくありません。
休日出勤を求められるケースも
人手不足に悩む年間休日87日の職場では、本来の休日にも関わらず出勤を求められるケースがあります。休日のシフトが組まれていても、全員が休めるわけではなく、交代で出勤しなければならないこともあるでしょう。
年間休日87日のデメリット
年間休日87日で働くことには、心身の健康面だけでなく、プライベートや将来のキャリア形成においてもデメリットがあります。
心身の疲労がたまりやすい
年間休日が少ないと、心身を十分に休ませることができません。睡眠不足や疲労が蓄積し、体調不良を引き起こすリスクが高まります。休日が少ない状態が長く続けば、徐々に体がボロボロになっていくでしょう。
プライベートの時間が大幅に制限される
休日が少ないということは、それだけプライベートの時間が限られてしまいます。友人や家族との交流、趣味の時間など、仕事以外の大切な時間が犠牲になります。結果として、ストレスが溜まり、仕事へのモチベーション低下にもつながりかねません。
長期的なキャリアプランが立てづらい
年間休日87日のような環境で働き続けていると、目の前の仕事をこなすので精一杯になり、自身のキャリアについてじっくり考える時間が持てなくなります。スキルアップの機会を逃したり、将来のキャリアプランが立てづらくなる可能性があります。
年間休日の重要性
年間休日が十分にあることは、労働者にとって非常に重要です。心身のリフレッシュ、ワークライフバランスの実現、そしてキャリア形成においても欠かせない要素だと言えます。
心身のリフレッシュと仕事への意欲向上
休日は心身をリフレッシュさせ、仕事へのモチベーションを高める上で重要な役割を果たします。十分な休養を取ることで、集中力や生産性の向上につながります。
ワークライフバランスの実現
年間休日が多いほど、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります。家族との時間や趣味に費やす時間が増えれば、ストレス解消にもつながり、仕事に対しても前向きになれます。
将来を見据えたキャリア形成
休日が多いと、自己啓発や将来のキャリアについて考える時間が持てます。スキルアップのための勉強や、他社の情報収集など、長期的な視点でキャリア形成に取り組むことができるでしょう。
まとめ
年間休日87日は、法律上は違法ではありませんが、労働者にとってはかなりきつい条件だと言えます。心身の疲労がたまりやすく、プライベートも犠牲になりがちです。
やりがいのある仕事であっても、休日の少なさが長期的に与える影響は小さくありません。キャリア形成の面でもデメリットが大きいため、可能であれば休日が多い職場を選ぶことが賢明だと言えるでしょう。
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